寝る時間を削ってお金を稼ぐ

生活費を稼ぐために働いた

友人の紹介で5年ほど前に出会った彼女、名前は伏せておく。

今思えば彼女のどこに惚れたのかすら分からず、何の為に働いているのかすら分からない状態にまで心が病んでいたのかもしれない。 彼女と出会ったばかりの頃は週に2回ほど食事に出かけたり、映画を観たりとデートのような感じで遊んではいたが、お互いに恋愛感情はもっていなかった。

何度かデートを重ね、どんなことでも話せるようになってきた頃だった。 普段はメールでデートの連絡などをし、電話での会話をすることは殆ど無かったのだが、突然彼女から電話がかかってきたことがある。

突然の電話に少し驚いたが、電話に出てみると彼女は泣きながら、ごめんなさいと繰り返し謝ってきたのである。 彼女が落ち着くのを待ち、事情を聞いてみてさらに驚いた。

実は彼女は既婚者で子供もいると言う。 驚きはしたが、それほど異性として意識はしていなかったのでショックはなかった。

彼女の旦那は転職を繰り返し、生活は苦しく、子供のためにアルバイトをして何とか生活費を稼いでいるという。 しかし、コツコツと将来のために貯めたお金を持って突然、家を出て行ってしまい、どうしていいか分からず電話してきたのだ。

近くで待ち合わせをし、コンビニで歯ブラシなどの日用品を購入し自宅にもどった。 その日から3人での生活が始まったのだが、子供はまだ小さく家に1人にはできなっかたので、彼女と子供を家にのこし、仕事に行った。

当然、今までの仕事だけでは生活が苦しく、近くのコンビにで深夜のアルバイトを始めた。 いつの間にか彼女と同棲をはじめ、子供もいる生活になったが、自然と受け入れることができた。

突然の借金の取り立て

2ヶ月ほどが経ち、子供も自分に少し懐いてきてくれた頃、借金の取立てが突然やってきた。 当然身に覚えがなかったのだが、話を聞くと彼女は旦那が作った借金の保証人にされていたのだ。

総額400万、当然返済など出来ないと思ったのだが、将来のために仕事を3つに増やし、昼間は子供を保育園に行かせ、彼女も働きにでた。 普通の暮らしをさせてあげたくて必死に働いた。

寝る時間は一日に3時間ほど、仕事と仕事の合間に少し仮眠をとる程度だった。 幸い病気もせず、仕事を休む事無く、ようやく借金が残り数十万円になりかけたころ、突然と彼女は消えた。

信じられなかった。 何かの間違えだと自分に言い聞かせ、近所を必死で探したが彼女の姿はどこにも無かった。

冷静に考えると、彼女の事を信用しすぎていたのかもしれない。 必死で稼いだお金も全て彼女に任せていたので、借金というのも嘘だったのかもしれない。

もう二度と私は他人を信用しないと、心に誓った。